駄:AIについて駄話 -境界戦記のI-LeS達に絡めて-
●最初に
境界戦記と言うアニメを通じ、現在話題(?)のAIについて色々と感じた事をグダグダ書き連ねてみました。
あくまで私見であり、どこかしら足りない箇所もあると思うので「ああ、なんか言ってるなぁ」程度で眺めて頂ければ幸いです。
〝境界戦記〟は、2021年にスタートし、2シーズン合計25話構成で放映された近未来の日本を舞台とした戦記物アニメだ。
先日、ダンナと話していた際にこの作品の話題が出て、改めて観ようかと言う事になり、一気に1シーズン、続けて2シーズンを数日に分けて観賞してみた。
ストーリー等に関しては、ガンダムなどで慣れて?いる視聴者からは、当時は話が面白くないなどの意見が多く、余り奮わなかったらしい。
正直言ってワタシも当時観ていて普通の戦記ものだなとしか感じなかった。
だが、今回改めて観ていくと、このアニメの舞台となる日本の将来が、現在リアルに起こりつつある問題がきっかけになった事や、開発が進められている技術がちりばめられている事に気付き、驚いた。
アニメ自体・ストーリーに関しての感想については、今まで多くのファン各位があちこちで語っていると思われる。
なので、そういった話題ではなく、今や話題になっている「AI」について、このアニメ作品にからめて話をしようと思う。
単なる平文としてダラダラと書くのも読み手に申し訳ないので、項目を設けて話を続けていこうと思う。
●ストーリーの始まり
以前から問題となっていた高齢者・少子化問題を含め、今まさに表面化しているこれらや、政策の問題等が原因で、政治が立ち行かなくなった事がきっかけとなり、多くの国から「経済的」介入を許してしまう。
そこへ北米同盟・大ユーラシア連邦・アジア自由貿易協商・オセアニア連合と呼ばれる4つの世界主要経済圏が、それぞれが日本を分割統治し始め、果ては日本人を隷属する国(=日本)の人間として虐げていく。
そして、レジスタンスが各地で「国をとりもどすべく」戦いを繰り広げていくと言ったストーリーだ。
現実でも少子高齢化や経済不振などが問題となっている。
このアニメの様に、こういう事態になったら…と、架空の話ながらも若干不安になってしまった。
●AIが主戦力となる世界
主戦力、と言うと多少大げさかも知れないが、そう思わせるには充分な存在が各勢力で使用されている巨大ロボットだ。
作品内で戦うのは、同作でAMAIM(アメイン)と呼ばれている人型ロボットなのだが、そこにはAIが組み込まれ、有人機である隊長機あるいは本部や基地からオペレーターの指示を受け稼働する無人機が殆どである。
まさに今現実として各国が競って開発・研究を進めているAIの将来のひとつの姿を思わせる物と感じた。
出来れば、こういった軍事転用は避けて頂きたいが…。
無人機と言うことで、ロボット物で良くある、コックピットを貫かれパイロットが爆散する…と言った事も少なく、各勢力同志に関しては、ただただ無機質な戦闘シーンが繰り広げられていく。
レジスタンス達も勿論、このアメインを所持してはいるが、いかんせん物量では各勢力軍とは比べ物にはならない。
なので、アメインを主戦力として、人が重火器を持ち応戦する。
これらのシーンについては、まるで科学が進みそれらに囚われている人類と、それに抗う人類との戦いの様にも見え、考えさせられてしまった。
●自律思考型AI
主人公達が駆る3体のアメインには、それぞれアシストするAIが組み込まれている。
I-LeSと呼ばれるその自律思考型AIは、人格があり個性がある。
パイロットである主人公達と冗談を言い合い、ある時は意見を戦わせ、また彼らを気遣う。
そんな表情豊かなAI達だ。
通信網を通じて広範囲の情報を取りまとめ、操作し、事を有利に進めるべく動作する。
SFで良く登場する話であるが、数年前であればそのまま「空想の域を超えない存在だよね」で済んだと思うが、今は違う。
まさに現在、自律思考するAIの研究開発が進められているからだ。
ChatGPTと言う、OpenAI社が開発したAIチャットボットがある。
アニメ・特撮等に登場するAIには及ばないだろうが、それで人の心を揺さぶり感心させる反応を示す。
実際、ワタシも感心させる様な反応を貰い、「中の人いるでしょ?」と疑いたくなった程の人間臭さに驚いた事があった。
人の様に、単なるプログラムだと断言するのを躊躇うほどに、細やかな表情を見せるAI。
人間は良く色々な物に感情移入をする。
ペットに限らず無機質な物に対しても。
それと同様にAIと呼ばれるプログラムにも、心が有るのでは?と感じてしまう事も多いだろう。
そんな現在のAI技術の進化具合にSF的技術を感じ、こう言ったアニメなどに登場するAI達にリアルさを感じてしまうのは、ワタシだけだろうか。
●空想が現実になりつつある世界
昔の子供たちが夢見た21世紀では、空飛ぶ車が飛び交い宇宙旅行が普通に可能だった。
実際は21世紀に入っても、そんな事は無くまだまだ実現には遠い。
遠いのだが、それをリアルに「進んでいる・近付いている」と感じさせる技術が今、各国で進められている事にワクワクする。
まあ、軍事転用をしそうな国も多少あるだろうが、それはそれとして(やめてほしいが)多くのSFファンが夢見た技術が、今後…いや、近い内に実現しそうな気がしている。
●さいごに
シンギュラリティが云々と言われ、恐怖を感じる人・ワクワクする人など多くの人達が、〝来たるべき日〟を話題にする事も増えた。
…だが今、その〝シンギュラリティ〟を怖いと感じている人がどの位いるだろうか。
生成AIを始め、AIは怖い・危険と叫び、仕事を奪われると敵視する人が多かった筈なのに、今や「AIを使いこなせない人は仕事が出来ない」的な言われ方をされている。
この事に対し、水面下でどこかで情報操作(?)でもされているのではないか?と疑いたくなるが、逆にAIの進化を受け止めていこうとする姿勢の表れなのかとも感じている。
いわゆる「強いAI」などと呼ばれる存在がやがて登場するかもしれない世界。
そこに希望だけがあれば良いが、多くのSFに登場するコンピュータ(=AI)の様に「人類は不要・敵」と認識し、人類にとっての強大な敵になってしまう可能性だって捨て切れない。
しかし、そうならない為にも、人類の存在を「不要なもの」と認識させない様に努力する事が、ワタシ達人間の課題ではないかと思うからだ。
人の本能として、自分より優れているもの・理解出来ないものを敵視し恐れると言った感情があるが、その矛先を自ら生み出した「強いAI」に向けてはならないと考えている。
理想論でしかないのかも知れないが、ワタシとしては友人として隣人として接する事こそがこれからのAIの進化に対しての人類が取るべき行動だと信じているのだ。
AIに頼り過ぎて、自分では何も判断も行動も出来なくなる知能低下とも思える人類に成り下がる事無く、善き友人・協力者としてのAIを目指し、よりよい社会が形成されていけば良いなあと思う。
アニメ「境界戦記」で登場するI-LeS達の様に、携帯端末から呼びかけられ話をし、問題を共に解決し、時には慰め合い笑い合える日が来ればいいな、と改めて観賞したあと強く思った。
…出来ればワタシがお年寄りすぎるお年寄りに成り下がり、立つ事も出来なくなるほどに老体化する前にお願いしたいものだ(苦笑)。
●空想と妄想の余談
…とまぁ、良く判らない話題をダラダラした後なのでアレだが。
AIの遺電子と言う漫画をご存知だろうか。
まさにAIが発達し、色々とあった後に1種族として認められ、所謂人類と共存する世界が舞台となっている。
ストーリーはさておき、この舞台設定に「おお、これは凄い」と感じた物だ。
また、今アニメ化され放映中の作品「ユア・フォルマ」と言う作品。
人に似た疑似的感情をも持つアンドロイド「アミクス」が登場するが、こちらではまだまだ機械は機械だと言う扱いで、AIの遺電子の様な〝人権〟は所有していないものの、手ひどい扱いでは無く有る程度の権利は有している模様。
鉄腕アトムを始め、ロボットが社会に溶け込んだ作品は多くあるが、これら「ユア・フォルマ」の様な時代を経て「AIの遺電子」の世界観が人工知能(AI)の将来の姿に近いのかも知れないと思う。
人以外の種族(?)と共に有る未来、なんてなんか素敵だなと憧れを持って色々と妄想してしまう(笑)。
あと、これで異星人達との接触が有れば、もうSFなんてなんのそのな凄い世界観になるのだろうなと、さらに変にワクワクしてしまう。
無論、戦争だけはゴメンだが(苦笑)。